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<コンセプトデザインのビジネスインパクト>ヘルシンキ芸術デザイン大学ワークショップ開催

去る6月3日4日、デザインリエゾンセンターではヘルシンキ芸術デザイン大学よりTurkka Keinonen先生をお招きして「コンセプトデザインのビジネスインパクト」と題したワークショップを2日間にわたって行いました。

デザインリエゾンセンターにメンバー登録している企業に限って受講できるもので告知はされていませんでしたが、各企業の関心も高く、ワークショップとしてはやや多めの30名のインハウスデザイナーさんが参加しました。PCやケータイ、家電、カメラなどを作っているデザイナーさんが多かったですが、中にはファニチャーやスポーツシューズ、コスメのデザイナーもまざって、異色の5つのチームが出来上がりました。

先生からのお題は西暦2020年。各チームにはそれぞれプロダクトが与えられます。「傘」(傘ってほんとプリミティブな道具ですよね。石器時代から基本の考え方は変わっていないのではないでしょうか・・!なんとかなって欲しいものです。)「低電圧充電器」(海外に行くたびに充電器の問題に直面します。)「玄関マット」(翻訳小説を読んでいると、よく「玄関マットのように扱われ」などという比喩表現が出てきますね。虐げられた、という意味で。面白いと思います。)「信号機」(たぶん全世界共通のルール。こういうルールでも100年も経つとで変わったりするものなんでしょうかね?)そして「タイヤ」(なぜ車輪動物が存在しないのか、という問いの答えは「ゾウの時間、ネズミの時間」という新書を読むと分かります)・・(カッコ内はお題を聞いたときに私の心によぎったモノローグです。)どれも考え甲斐のある、とっても地味でとっても普通、だからこそ面白いお題ばかりです。

ゲームはこんなルールで進行します。 まず、チームは現在それぞれのプロダクトのメーカーであると仮定します。次に2020年という未来を想定し、いったん視野を広く世の中全体に広げて、どのような時代の変化が起こっているか想像の羽を広げます。社会変化、政治、技術、経済などいろんなジャンルで想像してみます。次に自社のビジネスに改めてフォーカスし、2020年後に生き残っているために、どういうプロダクトまたはサービスを提供するべきか考え直します。それはもはやモノのデザインではなく、その外側にあるシステムのデザインからアプローチしていく方法で、これこそ本来デザイナーさんに求められるべき仕事に違いありません。

実際には、デザインのアプローチがこのように一気ツウカンでビジネスモデルに結びつくほど事は単純に運ばないはずですが、ビジネスにおけるデザインの可能性を知る上でも大変有効なワークショップではないでしょうか。本当は、デザイナーではない立場の人々にもいっしょに参加して欲しいですね。

(Turkka先生、ありがとうございました!)

リアルイベントはライブなトウキョウの縮図。
エルトキオはイベントをクロスオーバーが実現する重要なメディアとして捉えています。合言葉はやっぱり「ボーダーレス」。

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