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「じゃがいもを洗う洗濯機?」~中国コンシューマトレンド~ デザインリエゾンセンターでは海外の提携校・精華大学からヤンヤン教授をお迎えして、中国マーケットの今を解読するセミナーを開催しました

去る5月20日、デザインリエゾンセンターでは中国精華大学からヤンヤン(Yang Yan)教授をお迎えし、

「図解!中国コンシューマトレンド」(5つのパラメータで切る13億人の今!)

と題したセミナーを開催しました。

Yang Yan先生は精華大学アーツ・アンド・デザインアカデミー工業デザイン学部の学部長という役職にいらっしゃり、自動車やケータイ電話のリサーチやデザイン分野で多くの実績を持つ重鎮です。新しい中国の道しるべを築き、牽引して来た張本人のひとり、と呼んでも良いでしょう。

そんなYang Yan教授がライフワークのひとつとして進めているのが、中国の消費者分析で、今回のセミナーのテーマともなりました。

今世紀間違いなく世界の主役となる中国で今何が起こっているのか・・今現在中国と取引しているわけでなくても、チェックしておかなくちゃ、と思うのが人情というものですよね。そのためか、参加者の皆さんの熱意もかなり高いようにお見受けしました。

セミナーは中国のここ30年を振り返りつつ、現在形成されている社会階層を定義、分析するという大変分厚い内容のもの。2時間という限られた時間であることが大変惜しまれました。中国の30年は激動の30年であり、これを振り返るだけですでに本当は何日もの講義が必要ですが、テーマはその歴史のうねりとともに変容した/しつつある「民」の方で、これがまた難解極まりない様相。ヤンヤン先生が分析のパラメータとして用いたのは、年齢、収入、教育、職業そして戸籍であり(戸籍というのがお国柄です)、シンプルなパラメータを使って群像を描き出すヤンヤン先生の語り口は鮮やかというほかありません。

先生が「酷」「雅」「派」などの命名で(中国語って面白いですね!)つむぎ出す人々の典型はどれも都市型ピープルであり、その背後には農村に暮らす圧倒的な人口の人々が控えています。日本の私たちがこんなに中国が気になるのも、北京や上海のにぎやかな動向のその向こうに、寡黙な、しかしバク大な物量の気配を感じるからこそでしょう。

ヤンヤン先生が今後の研究課題としているのがまさしく農村の調査とのことです。農村は中国市場の70%を占めるのに、調査は手付かず、中国のデザイナーの注目度もまだまだ低いとのこと。ヤンヤン先生の活躍が待たれるところです。

農村調査の抱負を語る中で、先生が触れたエピソードをひとつ。「予想外の使用」の好例でもありますが、中国農村部では洗濯機で服を洗わずにじゃがいもを洗うという例が報告されたとか。その情報を元に、中国の代表的な家電メーカー・ハイエル社は、「じゃがいもを洗う洗濯機」を製造したそうです。 こんなエピソードにも中国の底知れぬ潜在力と、ものづくりに関わる仕事の面白さが垣間見えるのではないでしょうか!?

(参加した皆さんの多数意見でもありましたが、このセミナーの続きを是非近々実現したいものだと痛感いたします。)

リアルイベントはライブなトウキョウの縮図。
エルトキオはイベントをクロスオーバーが実現する重要なメディアとして捉えています。合言葉はやっぱり「ボーダーレス」。

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